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酒粕倶楽部

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2007年 04月 12日

粕汁で酔っ払うのか?…粕汁を2杯食べて「飲酒運転検挙」

酒粕の「株式会社小林春吉商店」です。
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最近、酒粕・甘酒・粕汁・奈良漬で飲酒運転で検挙された…
という苦情・問い合わせが増えています。


その一例が、
   当社の所在する神戸市の教諭が、昨年9月15日に酒粕汁2杯を食べた。
   その2時間後に飲酒検問で、呼気1L中、0.15mlのアルコールが検出された。
   酒気帯び運転容疑で書類送検された…
との記事が、3月28日の毎日新聞に載りました。
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「酒粕を食べると酔っ払うのか」
「粕汁・甘酒で酔っ払うのか」…
科学的な分析をしました。

弊社で扱っている酒粕でも極上の酒粕の1つである「月桂冠」の「大吟醸粕」を使って。
甘酒・粕汁を作ってみました。
それを「食品分析センター」に、アルコールの残留分析を依頼しました。

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   ①酒粕:月桂冠大吟醸粕

   ②粕汁:だし汁(720cc)野菜・鮭等を煮込んだ後、刻んだ酒粕を入れて。
       弱火で4分程煮る…
       というのがおおまかなレシピです。
       今回は、野菜等を一切入れずに、だし汁720ccだけを沸騰させて後、
       ①の酒粕200gを入れて4分弱火で煮立てたものを分析。

   ③甘酒:水800ccに①の酒粕200gを加えて、弱火で13分煮立てました。
       (軽く煮立つまで)
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結果…(分析方法は、重クロム酸カリウム酸化法)
(試験依頼先:財団法人日本食品分析センター,
検査書発行年月日:2007年4月10日, 試験成績書発行番号:207032177-001~3号) 

   ①酒粕:100g中9.3g
       (5.5%のビール212ml飲んだアルコール量と同じ。)

   ②粕汁:100g中1.8g
       (粕汁お碗1杯200g食べると、5.5%のビール82ml飲んだアルコール量と同じ。)

   ③甘酒:100g中1.7g
       (甘酒200g飲むと、5.5%のビール78ml飲んだアルコール量と同じ。)

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以上、分析結果から、
「酔っ払う可能性がある」ことが、ご理解いただけると思います。


ただし、今回は、アルコール度数の高い原料酒粕を使用し、
加熱時間もやや少なめに設定しましたので、高めの数値が出ました。

市販の酒粕は、アルコール度数…約8%くらいです。
また、アルコールの沸点は約78.3℃、水は約100℃ですので、
よく煮立てるとアルコールはもっと無くなります。

お子様が召し上げられるときには、煮立てる時間を少し長めにされた方がよいでしょう。
粕汁の場合は、野菜・鮭・コンニャク等の具材が入るので、
お椀1杯200gに含まれる実際のアルコール分はかなり薄まり、
ほとんど影響無いものと考えられます。
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酒粕は、アルコールを含んだ食品です。
酒粕を使った料理を召し上げられた際は、お車の運転は控えたほうがいいですね。

by sakekasu-cooking | 2007-04-12 01:24 | 酒粕ぜみ


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